お賽銭はいくら入れる?|金額の相場・意味・やり方を一覧で解説

「お賽銭は何円がいいのか」——結論からお伝えします。

疑問答え
何円がいい?決まりはありません。5円〜100円が一般的な目安です
語呂合わせで選ぶなら?5円(ご縁)が最も定番。45円(始終ご縁)なども人気
縁起が悪い金額は?存在しません。10円=遠縁、500円=効果なしは俗説です
金額でご利益は変わる?変わりません。神社本庁も「決められた額はない」と明言
正しいやり方は?静かに納め、鈴を鳴らし、二礼二拍手一礼(お寺は拍手なし)

神社本庁は、お賽銭について「正式にお賽銭として決められた額はありません。額や語呂ではなく、神さまへ気持ちを込めてお供えすることが重要です」と明記しています。

この記事では、相場の目安、金額別の意味の一覧、神社とお寺それぞれのやり方、由来と歴史、そして「お賽銭が神社を支えている」という考え方までをまとめました。

目次

この記事でわかること

  • 「何円がいい?」への結論と、相場の目安
  • 語呂合わせの早見表と、金額別の意味の一覧
  • 避けたいとされる金額は本当なのか
  • お賽銭のやり方(神社とお寺の違い)
  • お賽銭の由来と歴史、平均金額
  • お賽銭が神社の維持・運営を支えているという考え方

1. お賽銭の意味とは

お賽銭とは、願いがかなったお礼や、日ごろの感謝を伝えるために、神社やお寺へ納めるお金です。

「賽」という字には、神仏から受けた恵みに感謝し、お礼をするという意味があります。また、賽銭箱に書かれている「浄財」は、「利益を顧みずに差し出すお金」を意味する言葉です。

神社とお寺でお賽銭の意味はどう違う?

同じお賽銭でも、神社とお寺では意味合いが少し異なります。拝む対象が違うためです。

参拝先お賽銭の意味
神社神様へ日ごろの感謝を伝えるためのお供え
お寺仏様への供養や感謝を表すお布施の意味合い

どちらも見返りを求めて納めるものではなく、感謝と敬意を表すという点は共通しています。

また、お賽銭を納める行為には、自分についた穢れ(けがれ)を清めるという意味も込められているとされます。神社本庁の解説では、「お賽銭箱にお金を投げ入れることには、土地の神さまに対するお供えや、祓いの意味があるともいわれている」とされています。

つまりお賽銭は、「金額を支払う」行為ではなく、「感謝を形にする」行為なのです。

2. お賽銭の由来と歴史

お賽銭がいつから始まったのかを知ると、なぜ金額よりも気持ちが大切とされるのかが見えてきます。

お米をお供えしていた時代

神社本庁の解説「お賽銭の今と昔」によると、もともと御神前には海や山の幸が供えられていました。その中でもお米は特別なお供えと考えられ、白い紙で包んで供える「おひねり」という形も生まれました。

お米が特別視されたのは、天孫降臨の神話に天照大御神が稲をお授けになったと記されていることが背景にあります。人々はその大御恵(おおみめぐみ)を受け、豊かに暮らせるよう祈ってきました。

後に貨幣が普及すると、お米の代わりに金銭も供えられるようになりました。現在でもお米を供える方はいますが、お米でも金銭でも、感謝の気持ちに変わりはありません。

賽銭箱が登場したのは室町時代の末期

「賽銭箱」そのものの歴史は、想像よりも浅いものです。

鶴岡八幡宮(神奈川県鎌倉市)の別当を務めた僧・快元(かいげん)の日記『快元僧都記(そうずき)』には、1540年(天文9年)に「散銭櫃(さんせんびつ)」が置かれたという記述があります。これは記録に残る最古級の賽銭箱とされています。

つまり、お賽銭の風習は長い歴史を持ちますが、「箱に入れる」という形は戦国時代ごろに生まれたということです。

そして、お米への感謝から始まった風習だからこそ、お賽銭は金額ではなく気持ちを込めるものだと考えられているのです。

3. お賽銭の相場の目安と平均金額

「正解はない」と分かっていても、目安は欲しいところです。

相場の目安

シーン相場の目安
日常の参拝5円〜100円
願いごとがあるとき100円〜500円
初詣100円〜500円
縁起を担ぐ場合5円・15円・45円など語呂合わせ
お礼参り気持ちに応じて

多くの方が5円〜100円の範囲で納めています。賽銭箱の中は見えないため、他人と比較する必要はありません。

平均金額は「調査によって大きく違う」

お賽銭の平均金額は、調査によって170円台から600円台まで大きな幅があります。理由は2つあります。「実際に納めた金額」を聞く調査と「初詣の予算」を聞く調査が混在していること、そして調査の時期が大きく違うことです。

調査発表時期結果
ソニー生命「47都道府県別 生活意識調査2025」2025年12月初詣で入れるお賽銭の予算の平均は603円(2019年調査は286円)
アットホームVOXの調査2015年初詣で実際に納めた金額の平均は170.4円。最多は100円(27.9%)、次いで5円(19.2%)
引越し侍(エイチーム)の調査2015年初詣で使う賽銭の平均は605円。最多は「100〜499円」(27.2%)

※注意:アットホームVOXと引越し侍の調査は、いずれも2015年の調査で、10年前のデータです。現在の金額感覚とは異なる可能性があります。参照する際は発表時期にご注意ください。

最新のデータ(2025年12月発表)では、「初詣で入れるお賽銭の予算」の平均は603円。ただしこれはあくまで「予算」であり、実際に納めた金額とは別のものです。

実際に納めた金額を聞いた調査では「100円」と「5円」が上位を占めています。語呂合わせで5円を選ぶ人と、100円玉を1枚入れる人が、回答者の多くを占めているのです。

結論として、迷ったら「自分の思う金額」で十分です。お財布にある小銭を全てお賽銭にいれたり、語呂から選んでも大丈夫です。特別な願いごとがある場合は、気持ちに応じて金額を上げればよいでしょう。

4. 縁起のいい金額|語呂合わせ早見表

語呂合わせは、金額を選ぶときの楽しい指針です。

金額語呂願いの例
5円ご縁良いご縁がありますように
11円いい縁良いご縁を
15円十分なご縁十分なご縁を
20円二重のご縁縁が重なる
21円二重の一縁夫婦・恋人(割り切れない数)
25円二重にご縁より強いご縁
31円さいち=幸運幸運を引き寄せる
35円再三ご縁繰り返しご縁がある
41円始終いい縁良いご縁が続く
45円始終ご縁ずっとご縁が続く
50円五重のご縁縁が幾重にも
55円いつでもご縁いつでもご縁がある
100円百語呂を気にせず選びやすい
115円いいご縁良いご縁を
125円十二分にご縁縁が十分にある
485円四方八方からご縁多方面からご縁が来る
2,951円福来い(ふくこい)福が来る
4,129円よい福良い福を
10,000円万事円満すべてが円満に

語呂合わせの選び方

「何をお願いしたいか」で選ぶのがおすすめです。

  • 縁結び・人間関係 → 5円、15円、45円
  • 夫婦円満 → 21円、31円(割り切れない数字)
  • 金運 → 5円玉(穴が開いた硬貨は「見通しが良い」とも)
  • 勝負事 → 31円

5円玉と50円玉は「穴あき硬貨」が縁起がよいとされる

硬貨そのものにも、縁起がよいとされるものがあります。

  • 5円玉:「ご縁」の語呂に加え、穴が空いていて見通しがよいとされる
  • 50円玉:同じく穴が空いており、運が通るとされる

5円玉と50円玉を組み合わせると、語呂合わせの幅が広がります。5円玉4枚で「よいご縁(20円)」、5円玉3枚と50円玉2枚で「いいご縁(115円)」といった選び方です。

語呂合わせはいつごろ広まったのか

「5円=ご縁」という語呂合わせは、比較的新しい習慣です。

現行の穴あき5円玉が発行されたのは1949年(昭和24年)(日本銀行)。それ以前には「5円」という額面の硬貨が存在しなかったため、この語呂合わせ自体が成立しませんでした。つまり、ここ数十年で広まった習慣ということです。

神社本庁が「語呂合わせは参拝者の気持ちの問題」と説明しているのは、これが教義ではなく民間の習慣だからです。

5. お賽銭の金額の意味|金額別一覧

「それぞれの金額にどんな意味があるのか」を整理しました。よく使われる金額の意味を一覧で紹介します。

金額意味・解釈
1円「一歩一歩」前進する。少額でも失礼にはあたらない
5円ご縁。最も定番とされる縁起のよい金額
10円遠縁(縁が遠ざかる)とされ、避けられることが多い
11円いい縁
15円十分なご縁
20円二重のご縁
21円二重の一縁。割り切れない数字で夫婦円満にも
25円二重にご縁
31円さいち(幸運)
35円再三ご縁
41円始終いい縁
45円始終ご縁。長く続く縁を願う
50円五重の縁。穴あき硬貨で「運が通る」とも
55円いつでもご縁
100円百の縁。語呂を気にせず選びやすい標準的な金額
115円いいご縁
125円十二分にご縁
485円四方八方からご縁
500円「これ以上大きな効果がない」と避けられることがある
2,951円福来い(福が来る)
4,129円よい福
10,000円万事円満

金額の意味をどう受け取るか

これらの意味は、すべて民間の語呂合わせであり、神社が定めたものではありません。数字の読み方に意味を重ねるのは日本の言葉遊びの文化で、「願いを言葉に託す」という発想から生まれています。

大切なのは、「どの金額を選んだか」ではなく、「その金額にどんな願いを込めたか」です。5円玉1枚に込めた願いと、100円玉に込めた願いを、神様が金額で測ることはありません。

6. 避けたいとされる金額は本当か

「10円は『遠縁』に通じるので避けたほうがいい」「500円玉は『効果なし』と言われる」といった説があります。これらはすべて俗説であり、神社が定めたものではありません。

金額言われる説実際
10円遠縁(縁が遠のく)俗説。「十円」を「とおえん」と読む語呂遊び
33円散々な目にあう俗説
65円ろくなご縁がない俗説
69円ろくなことがない俗説
75円なんのご縁もない俗説
79円泣くことになる俗説
85円やっぱりご縁がない俗説
95円苦しいご縁にあう俗説
105円当分ご縁がない俗説
500円これ以上効果がない俗説

重要なのは、「避けたほうがいい金額は存在しない」ということです。10円玉しか手持ちがないときに、わざわざ両替する必要はありません。

また、「人から借りたお金をお賽銭にするのは避ける」という言い伝えもあります。これは「自分のお金で感謝を表す」という考え方によるものです。

ただし、語呂を楽しむ文化として避けるのは自由です。「10円しかないから今日は参拝をやめよう」と参拝自体をあきらめてしまうのは本末転倒です。参拝しないことのほうが、金額より問題です。

金額で迷わないための考え方

「いくら入れればよいか分からない」という悩みは、判断の基準を持っていないことから生まれます。

  1. 目的を確認する:日常の参拝か、願いごとか、お礼参りか
  2. 手持ちを確認する:手持ちの中から選ぶと決めれば、迷いが減る
  3. 語呂を楽しむ(任意):縁結びなら5円など
  4. 納める:決めた金額を後悔しないこと

「少なすぎる?」→ 下限はありません。「毎回同じでよい?」→ 問題ありません。「大きい金額のほうがよい?」→ ご利益は金額に比例しません。

7. お賽銭のやり方|神社とお寺の違い

入れる金額が決まったら、次は作法です。参拝の手順は神社とお寺で異なります。

なお、手順や手水の作法は場所によって細かく違います。境内や本堂に案内があれば、その指示に従うのが基本です。

神社のお賽銭のやり方

順番動作
1くぐる前に鳥居に一礼する
2参道の端を歩いて拝殿へ進む(中央は神様の通り道)
3手水舎で左手→右手→口→柄杓の柄の順に清める
4拝殿でお賽銭を静かに納める
5鈴があれば1〜2回鳴らす
6二礼二拍手一礼を行う
7氏名・住所を添えて願いごとを伝える
8最後に一礼する

多くの神社では二礼二拍手一礼が基本です。ただし、出雲大社・宇佐神宮などは「二礼四拍手一礼」とされており、参拝前に公式サイトで確認しておくと安心です。詳しくは神社の参拝方法で解説しています。

お寺のお賽銭のやり方

順番動作
1山門の前で合掌して一礼する
2敷居を踏まずに山門をくぐる
3手水舎で清める
4常香炉があれば線香を供えて煙を受ける
5本堂でお賽銭を静かに納める
6鈴・鐘があれば鳴らす
7合掌して一礼する(拍手はしない)
8願いごとをする
9焼香台があれば焼香をする
10最後に一礼する

神社とお寺の違い(早見表)

項目神社お寺
入口鳥居山門
お賽銭の意味神様へのお供え・感謝供養・お布施の意味合い
拍手する(2回)しない
拝礼二礼二拍手一礼合掌して一礼
供えるもの玉串線香・焼香

最大の違いは拍手の有無です。お寺で拍手をするのは作法違いになります。神社とお寺が同じ境内にある場合は、建物ごとに作法を分けるのが基本です。

お賽銭は投げ入れてもよい?

お賽銭は勢いよく投げ入れるイメージがありますが、本来は感謝を伝えるためのお供えです。

神社本庁も「感謝の気持ちとしてお供えするものなので、箱に投げ入れる際には丁重な動作を心掛けると良いでしょう」としています。遠くから投げるのではなく、賽銭箱の前まで進んで静かに納めるのが望ましい所作です。

混雑して賽銭箱に近づけない場合は、社務所で受け付けてもらえる場合もあります。

8. お賽銭を入れるタイミングと作法

タイミング

お賽銭を入れるタイミングは、鈴を鳴らす前が一般的です。

  1. 拝殿の前に立つ
  2. お賽銭を静かに納める
  3. 鈴を鳴らす(1〜2回)
  4. 二礼二拍手一礼
  5. 願いごとを伝える

ただし、「お賽銭と鈴の順番」に厳密な決まりはありません。神社によって案内が異なる場合は、境内の掲示に従いましょう。

正しい作法

作法理由
静かに納める音を立てるのは敬意を欠く
投げ入れない「投げる」は投げつける行為になる
お札は折りたたんで広げて見せる必要はない
両替を頼まない社務所は両替所ではない
賽銭箱の前で長居しない参拝の列を止めない
賽銭箱に物を入れないお賽銭以外のものは入れない

参拝中に気をつけたいお金の扱い

  • 拝殿の前で財布を広げない:事前に小銭を用意しておくと所作が滑らかになる
  • 落としたら拾ってから納める:拾い直すのは失礼ではない
  • 御守・御朱印の初穂料はお釣りのないように:混雑時は両替の手間が列を止める
  • 借りたお金では納めない:自分のお金で納めるのが基本

両替について

「お賽銭用に小銭に両替してもらえますか」と社務所に頼むのはマナー違反です。神社は金融機関ではありません。参拝前に用意しておきましょう。

9. 賽銭箱がない場合はどうする?

賽銭箱が置かれていない神社もあります。

ケース対応
賽銭箱がないお賽銭は不要。拝礼のみで問題ない
鈴だけがある鈴を鳴らして拝礼
授与所がある御守や御朱印の初穂料として納める
祈祷を受ける玉串料・初穂料として納める

「賽銭箱がないから参拝できない」わけではありません。お賽銭は義務ではなく、感謝の表明です。

なお、この節の「賽銭箱がない」は神社の境内の話ですが、賽銭箱そのものは寺院にも置かれています。近年はキャッシュレス決済に対応した賽銭箱を導入する寺社も出てきました。PayPayは2024年12月から、神社・寺院のお賽銭等への決済に対応しており、増上寺など全国7カ所で導入されています(PayPay公式発表)。

ただし、現金のみの寺社が依然として多数派です。参拝前には、現金(特に小銭)を用意しておくことをおすすめします。

10. 玉串料・初穂料・御祈祷料の相場

祈祷(ご祈祷)を受ける場合は、お賽銭とは別に玉串料または初穂料を納めます。

名称意味
玉串料玉串の代わりに納める謝礼
初穂料初穂(新米)の代わりに納める謝礼
御祈祷料祈祷に対する謝礼の総称

相場の目安

祈祷の種類相場
厄祓い5,000〜10,000円
お宮参り5,000〜10,000円
七五三5,000〜10,000円
安産祈願5,000〜10,000円
地鎮祭20,000〜50,000円
結婚式(神前式)10,000〜30,000円〜

注意:相場は神社によって異なります。「お気持ちで」と金額を指定しない神社も多いため、事前に社務所へ確認するのが確実です。

のし袋の書き方と渡し方

初穂料の封筒の書き方(中袋付き)
中袋の書き方
初穂料の封筒タイプの書き方(中袋なし)
項目書き方
表書き「玉串料」または「初穂料」(水引の上に)
水引紅白の蝶結び(結び切りでも可)
下書き自分の氏名(フルネーム)
中袋金額を書く(「金〇〇円也」)

のし袋がなくても受け付けてもらえる神社がほとんどです。急な参拝の場合は、封筒に氏名と金額を書いて納める形でも失礼にはあたりません。形式より、納める意思が伝わることが大切です。

11. お賽銭は神社を支えている|「お心添え」という考え方

ここまで、金額や作法の話をしてきました。最後に、お賽銭のもうひとつの大切な側面についてお伝えします。

あなたのお賽銭は、神社を守る支えになっている

神社には、入場料も拝観料もありません。鳥居をくぐるのも、拝殿に立つのも、無料です。では、あの広い境内、立派な社殿、手入れの行き届いた庭は、誰が支えているのでしょうか。

答えのひとつが、お賽銭です。

  • 古くなった社殿や鳥居の修繕・修復
  • 境内の清掃・警備・植栽の管理
  • 祭典や行事の運営
  • 御守・御朱印などの授与品の製作
  • 神職・巫女の方々の人件費

神社は法人として運営されており、参拝料を取っていません。だからこそ、賽銭箱に納められるお気持ちが、神社を次の年に繋いでいます。あなたが納めた5円玉も、100円玉も、確かに神社を支える力になっているのです。

昔の人が守ってくれたから、今の神社がある

もう少し大きな視点で見てみましょう。

1000年以上の歴史を持つ神社が、日本には数多くあります。戦乱、大火、災害、飢饉——その間に、何度も失われかけたことでしょう。

それでも今、こうして神社が存在しているのは、その時代の人々が守り続けてきたからです。修繕のためのお金を出した人、境内を整えた人、祭りを絶やさなかった人、次の世代に伝えた人。名も残らない人たちの積み重ねが、今の私たちの前に、あの社殿を残してくれました。

私たちが今、鳥居をくぐれるのは、過去の人々のおかげです。

「この神社を後の世にも守り続けたい」という気持ちを、金額に添える

だからこそ、お賽銭にはもうひとつの込め方があります。

「この神社を、後の世にも守り続けたい」——そんな気持ちを、金額に添えて納めるということです。

語呂合わせにこだわらなくてもいい——これが、この章でいちばんお伝えしたいことです。

「5円でなければ」「45円にしなければ」と金額に悩む必要はありません。語呂にこだわらず、ただ「この神社を守りたい」という気持ちを、そのまま金額に添える。それだけで、お賽銭として十分に意味を成します。

たとえば、手元に10円玉しかなかったとします。それでも構いません。「今日、ここに来られたことに感謝します。この場所が、これから先もずっと続いていきますように」と心の中で唱えて、静かに納める。金額の語呂よりも、その一言のほうが、はるかに大きな意味を持ちます。

語呂合わせで金額を選ぶのは楽しいことです。でも、語呂に縛られて参拝をためらうくらいなら、こだわらなくてよい。神社本庁が「額や語呂ではなく、神さまへ気持ちを込めてお供えすることが重要」としているのは、まさにこのことです。

その「お心添え」は、神様に届いている

神社本庁が「額や語呂ではなく、神さまへ気持ちを込めてお供えすることが重要」としているのは、まさにこの点です。

神様は、金額を見ていません。 その金額にどんな気持ちが添えられたかを見ています。だから、5円玉1枚であっても、そこに「この神社を守りたい」という気持ちが添えられていれば、それは立派なお供えです。

その「お心添え」は、きっと神様に届いています。

お心添えは、あなたにも巡り巡ってかえってくる

そして、ここがとても大切なところです。

神社を想う気持ちは、神社の中だけで完結しません。 あなたが納めたお心添えは、社殿の修繕になり、境内の掃除になり、祭典の灯りになり、次の誰かが参拝できる場所になります。

その誰かが、あなたと同じようにほっと一息ついたり、勇気をもらったり、感謝を捧げたりする。その時間が生まれる。あなたが差し出したお心添えは、巡り巡って、あなた自身の生きる世界を少しずつ良くしていくのです。

これは、「見返りを求める」ということではありません。善い行いは、必ずどこかへ循環していくという、ごく自然な道理です。

お賽銭は、神社とあなたの間だけで完結するものではなく、過去と未来をつなぐ循環の一部なのです。

12. お賽銭は何に使われるのか

お賽銭の主な用途を整理します。

用途内容
社殿・境内の修繕本殿・拝殿・鳥居の補修、屋根の葺き替え
境内の維持管理清掃、植栽の手入れ、警備
祭典・行事の運営例大祭、節分、初詣などの準備と運営
授与品の製作御守、御札、御朱印、縁起物
人件費神職・巫女などの人件費

神社は参拝料を取っていないため、お賽銭は神社を支える重要な収入源のひとつです。「神様へのお供え」というだけでなく、「神社を次の世代に残すための支え」でもあるのです。

13. よくある質問(FAQ)

Q1. お賽銭はいくらが正解ですか? 正解はありません。神社本庁も「決められた額はない」としています。迷ったら5円〜100円が目安です。

Q2. お賽銭の金額に意味はありますか? 5円=ご縁、45円=始終ご縁など、語呂合わせの意味があります。ただし民間の習慣であり、神社が定めたものではありません。

Q3. 10円玉は縁起が悪いのですか? 俗説です。「十円」を「とおえん(遠縁)」と読む語呂遊びで、気にする必要はありません。

Q4. 500円玉を入れてもいいですか? 問題ありません。金額の大小でご利益が変わることはありません。

Q5. 金額が高いほどご利益がある? 関係ありません。お賽銭は感謝を表すものです。大きな願いがある場合は、ご祈祷を申し込む方法もあります。

Q6. お賽銭をしないのはNGですか? お賽銭は任意です。納めなくても失礼にはあたりません。

Q7. 本殿以外の賽銭箱にも入れる? 本殿だけで問題ありません。時間に余裕があれば、摂社・末社を回るのもよいでしょう。

Q8. 電子マネーで払えますか? PayPayが2024年12月から神社・寺院のお賽銭等に対応しており、増上寺など全国7カ所で導入されています。ただし現金のみの寺社が多数派です。

Q9. 賽銭箱がないときはどうすればいいですか? お賽銭は不要です。そのまま拝礼して問題ありません。

Q10. お賽銭は何に使われますか? 社殿の修繕、祭典の運営、境内の維持管理、授与品の製作などに使われます。

14. まとめ

項目結論
金額決まりはない。5円〜100円が目安
意味5円=ご縁、45円=始終ご縁など。民間の語呂合わせ
語呂合わせの由来現行5円玉は1949年発行。比較的新しい習慣
避けるべき金額存在しない(10円・500円は俗説)
やり方神社は二礼二拍手一礼、お寺は拍手なし
タイミング一般的には鈴の前。厳密な決まりはない
平均金額2025年12月の調査では初詣の予算が平均603円。実際に納めた金額では100円・5円が上位
賽銭箱がない場合お賽銭は不要
祈祷の場合玉串料・初穂料で5,000〜10,000円が目安
お賽銭の役割神社の修繕・運営を支える循環の一部

お賽銭で迷ったら、「感謝の気持ちを込める」ことに集中してください。 語呂合わせにこだわる必要はありません。そのうえで、「この神社を後の世にも守り続けたい」というお心添えを、そっと金額に添えてみてください。

金額に悩むあまり参拝をためらうくらいなら、語呂にこだわらず、気持ちだけを添えるのがいちばんです。大切なのは、その金額にどんな気持ちを乗せたかです。

お賽銭が神社を支え、神社が誰かの心を支え、その循環が次の世代へ続いていく——あなたの参拝は、その流れの一部です。

参考文献・出典

記述内容と出典の対応

記述内容出典
お賽銭の意味/額に決まりがないこと/投げ入れる際の所作神社本庁「お賽銭の今と昔」
参拝の作法・手水の作法・鈴の意味神社本庁「参拝方法」
5円玉(穴あき)の発行年=1949年(昭和24年)日本銀行「5円貨(黄銅)」
お賽銭のキャッシュレス対応(2024年12月〜)PayPay プレスリリース
初詣で入れるお賽銭の予算 平均603円(2025年12月発表)ソニー生命「47都道府県別 生活意識調査2025」
初詣で実際に納めた金額 平均170.4円・最多100円(2015年調査)アットホームVOX
初詣で使う賽銭 平均605円(2015年調査)引越し侍(エイチーム)「初詣に関する大調査」
散銭櫃(1540年・鶴岡八幡宮)の記述『快元僧都記』(室町時代の日記・原典)
「二礼四拍手一礼」(出雲大社・宇佐神宮)出雲大社 公式FAQ

出典リンク一覧

神社・公的機関

決済・調査データ

古典・文献

  • 『古事記』『日本書紀』(天孫降臨に関わる記述)
  • 『快元僧都記』(室町時代・1532〜1542年の日記。散銭櫃の記述を含む原典)
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